2013年7月5日金曜日

深く細かく入っていって・・・

劇研アクターズラボ+烏丸ストロークロック”ハナレズ”



今回はタタキの現場から。
朝一でメンバーが駆け込んできて、すぐに作業開始。
今回とても重要な床面の塗装作業です。写真からは、ベニヤに黒い線を塗っているのがわかりますね。
こだわりの床面ですので、何工程か作業しやっと完成。(完成品は本番の舞台をお楽しみに)


それから場所を移し、稽古に入っていきました。
配役の代わった1シーンを長く時間をとって稽古。出ていないメンバーも、演技、そしてそれに対するダメ出しをしっかりと見て、聞いています。ハナレズメンバーのこういう姿勢なしには、濃密な作品世界は成立し得ません。



その後、3、4シーンほど。
メンバーが自主練で形にして来たものを見て、柳沼さんからの指摘、修正。今回の稽古では、自主練での創作の方向性がだいぶ合ってきていました。柳沼さんのヒントを上手く掴み、世界を深い部分で共有できつつある証拠です。
ですが言葉で語りすぎていたり、説明すべき背景をそのまま語ってしまったり。。
ここに柳沼さんからの的確で具体的なフォローが入り、行動や雰囲気で伝えたり、説明を巧妙に隠す演出/セリフの変更がありました。



今日は朝の10時から夜の10時まで。
そして夜間にもメーリングリストで、修正点の確認、スタッフワークの確認等の情報が遅くまで飛び交っていました。まさしくラストスパート。みんなに気合いがのっています。

沢(7/3)


2013年7月2日火曜日

全体の見直し。

劇研アクターズラボ+烏丸ストロークロック ”ハナレズ”



柳沼さん主導のもと、前回の通しを受けての全体の見直しを行ないました。
ネタバレになりそうですので具体的にはお伝えできませんが、タカノエツコさんと、今の我々。この対比で、もっと劇世界が強くなっていきそうです。当時をみて、今をどう捉え直すか、あと2週間ほど、非常に興味をそそられる部分です。


また、舞台美術の特性を生かした、かわいらしい演出も試されていました。
深みがあり、そこに様々な仕掛けが用意され、面白い作品へとさらに変貌していきます。

沢(6/29)


通し稽古を終え。

 劇研アクターズラボ+烏丸ストロークロック ”ハナレズ”


通しでした。
今期初の通し。スタッフへのお披露目も兼ねて実施。つなぎの部分等、まだ完成していないところもありましたが、上演時間1時間と少し。今までの成果を出し切ろうと、みな必死に舞台に立っていました。


今までのハナレズと違って見えたのは、メンバーそれぞれがメッセージを持って(持とうとして)舞台に立っていたこと。
自らでの詳細なリサーチにより、否応なく学生運動を描くこと、この時代に生きた人物を演じることが突きつけられるのだと思います。それゆえに、本番への期待も高まりましたが、乗り越えるべきラインは高いなとも感じさせられました。




通しを終え、ミーティング。
作品面では演技面でのダメだし、そして構成について告げられます。
一度全体をやってみたこと、そしてそれを俯瞰できたことにより、益々作品を完成させるために必要なものが見えてきました。

スタッフワークも合わせ佳境にきていますが、3年目、最後です。
絶対に乗り越えて、いい作品が生まれると思います。


ですのでぜひ観にきてください。

沢(6/26)



2013年6月24日月曜日

役者の在り方。



土曜日のハナレズ。今日は正午から夜の9時まで。
写真でもお分かりいただける通り、最後には外が暗くなっています。










さて今日は、追加するシーンを創作していきました。
前回の講座で課題として挙がった、高野さんの時間の流れ、メッセージ的に足りなかったところを補っていきます。まずはメンバーがつくってきたものをみて、柳沼さんがアドバイスを。他の可能性を考えていきました。



その後、台本になっている場面のセリフの一部をカット。全体を調整していきます。
そしてシーン練へ。作品の稽古に入ってから何度も思うことですが、役者のあり方がとにかく難しいです。シーンの流れによって変えていかなければなりませんし(例えば説明台詞のとき、劇中劇のとき、コロスのとき)、何が正しいのかをメンバー内で発見していかなければなりません。
いずれにしても共通しているなと気付いたところは、観客、舞台上に対して開いているかということです。相互でディスコミュニケーションになっていないか。もちろんそれがわかっても、実践するのがまた一段と難しいわけですが。敏感になりながらもゆったりと自然体に構えた演技が求められます。今までのハナレズにはなかったものを、柳沼さんはグイグイと求めてきているように思います。

柳沼さんの実演あり、阪本さんのいい塩梅のアドバイスあり。毎日の自主練も合わせて作品が紡がれていきます。

沢(6/22)



2013年6月20日木曜日

作品の全体像が、これからスピーディーに見えてくる。

 
劇研アクターズラボ+烏丸ストロークロック”ハナレズ”
 
 
前々回からの自主練を経て、リニューアルした短編を柳沼さんに披露しました。6、7つにも及ぶ数の作品を、それぞれに時間を見つけて稽古してきたのでしょう。以前とがらっと変わっていて驚きました。詰まったりセリフがうろ覚えだったりというのはありましたが、何より作品ごとにメッセージがしっかりとあり、連続でみると『あかるい場所まで』の全体像が浮かび出てくるようでした。
 
お披露目が終わり、柳沼さんより構成について。
足りないシーンであったり、役の交代、場所の変更など再設計図が述べ伝えられ、柳沼さんも一段と気合が入り、「いよいよ」という風に見受けられました。
 
 
その後、衣装合わせ→ロッテリアでのスタッフミーティングへ。
作品がその風貌を、力強く見せ始めました。
 
沢(6/19)


作品がダイナミックに動き出す少し前の自主練

劇研アクターズラボ+烏丸ストロークロック“ハナレズ”


今回は柳沼さん不在での稽古。
ですが演出補の阪本さん指揮の下、あたためておいた短編のシーンがどんどんリニューアルされていきます。短編というのは、ラボ中期に皆で創作した、12編ほどの10分間の作品のこと。

これらが核となり、柳沼さんが構成でそれらを結びつけ、作品へと変貌していきます。
沢(6/15)


ただただ、誠実に。

劇研アクターズラボ+烏丸ストロークロック”ハナレズ”


自主練の成果発表をしていきました。
それを受けて、柳沼さんから様々なアドバイスが伝えられます。最近はこのスタイルが定着してきていて、まず役者が主体的に場面を作る。そこから柳沼さんにお披露目→ダメだし。という流れ。















今回は再びプロローグ部分。
はじまり。ということで特に大事に大事に稽古していきます。劇の一言目を言うのはメンバーのうちの1人ですが、ここをしっかりやることで、観客の見方もいい方向へ誘うことができます。また、この一言目の感覚は、劇中様々な場面で必要になってくるとのこと。ですのでみんな、一言目を発する演者と同じ気持ちになって息を吸い込み、言葉を発するイメージをしています。

















お客さんの了解を得ながら丁寧に。形骸化せずに毎回客席をうかがえる度胸を持って舞台に挑みます。ただただ、誠実に。

沢(6/12)

2013年6月10日月曜日

『引き受ける』

6月8日のラボ。

左京東部いきいき市民活動センターにて、2講座分の長い稽古時間でした。
場所がゆっくりと時間が流れている雰囲気で、稽古もじっくりと時間をかけて実施しました。


まずはいつも通りのお手玉。そして舞台プランについて。
今回は新しいプランが提出され、みんなの好評価を受けていました。柳沼さんの頭の中を探るのではなく、自分で資料を見つけ着想を得て、プランを持ってきたようです。舞台がほぼ決まりましたので、ここから衣装、小道具、照明など舞台上にあがるものが考えられていくことと思います。

さて稽古へ。
今回は新台本が配られました。今まで練習してきたプロローグを分解し、短編と交互に織り交ぜながら劇を構築していくようです。それぞれで考えていた独り語りも台本となり、余計な部分が削がれクリアになっていました。
最初の台詞の入り方。客の引きつけ方、そして前の人の空気を『引き受ける』ことが多く実践されていました。いずれも繊細であり、柳沼さん、阪本さんが自ら演技をみせながら、何度も繰り返していました。
今後、こういった演技が要求される場面が増えていくとのこと。
思考を共有し、場を共有し、空気を共有していきます。



思考を共有していく。



6月5日のハナレズ。
今回はまず話し合いからスタート。劇世界についてみんなで共有していきます。
今回題材となる本が、色々な評価が既に下っているため、何か今の我々ならではの再評価ができないか。という話が柳沼さんからありました。
タカノさんが通っていた店、大学など、『なくなってしまったもの』がたくさんあり、その視点から語ることはできないかということに。第三期講座のスタートも、「京都からなくなってしまったもの」からのスタートだったので、みんなしっくりときているようでした。

このような形で、柳沼さんの思考(見えているものや悩んでいるところ、考え方の変遷まで)を赤裸々に話し、メンバーからもそれぞれの考えを引き出していました。



その後、稽古へ。
自主練で作ったシーンがあっという間に覆される中で、柳沼さんの考えを理解しようとしながら、そして自らで考えながらシーンが少しずつ前に進んでいっています。

2013年5月30日木曜日

スタッフワーク、役者共に。

お手玉よりスタート。
そして今回はスタッフワークの話し合いから始まりました。
それぞれ担当部署があり、プランを持ってきていました。今ある数少ない手がかりからプランを練ってきています。ですがどうしても演出の柳沼さんの頭の中を探るに留まるものとなり、それぞれの持ち味が出し切れていない様子でした。そもそも役者もあり、スタッフも。ということが非常にハードルの高いことだと思うのですが、今回は最終年度の三回目。どうしてもやり切りたいんだと思いました。
柳沼さんからプランの核となる構想が示され、各自持ち帰りとなりました。
 
 
 
さて稽古へ。
プロローグを経過し、創作した短編部分へ。前回の講座で阪本さんとみんなでつくったシーンを発表します。
柳沼さんからは厳しい指摘がありました。そして再度演出のイメージをみんなに伝えられていました。一度時間をかけてつくったシーンですので、指摘に対応するのに少し時間がいりましたが、柳沼さんが上手くメンバーの気づきを誘発しながら、自立した行動、演技へと向かっていっているようでした。
 
 
さて、高いハードルが見えてきているように感じます。
自らで考える力を育みながら、作品が作品になっていきます。
 
沢(5/29)
 


2013年5月25日土曜日

プロローグの少し先。

柳沼さん不在の今回のラボ。
プロローグ、個人の語りパートを、阪本さんを中心にみんなで見合いながら稽古。お客さんに何を届けるか、そしてどうやったら届けられるかを何回も何回も整理していきました。少し立ち止まり、それぞれ内容を深めるチャンスです。
 
プロローグから少し先に進み、以前創った短篇創作を取り込んでみました。
元々ある台本から、それぞれセリフを組み替えたり、立ち位置を考えたりして演出的な部分もみんなで行い、シーンを立ち上がらせていきます。内容はかなり体に染みついているので、どうしたら魅せられるか。それぞれに意見が出てきていました。
どんどんイメージを立ち上げ、いよいよ本編の方に立ち向かっていきます。
 
沢(5/25)
 

独特な創作現場。

数少ない劇研でのラボ。空気感、広さを吸い込みます。
 
今回はプロローグの通しを何回かしました。
ラストの通しでは自然な役者のたたずまい、そして語りのバトンタッチもスムーズで、スジがしっかり頭の中に入ってくるようになっていました。
 
 
今回はお客さんが来られていました。普段関東で女優をされている方です。
お話させていただいていると、今回の創作スタイルに少し驚いておられるようでした。
普段、本家の烏丸ストロークロックでもやらない創作方法、作業であるとのことです。1年を通して、そして最長3年間を同じ演出家と過ごすラボ。この形式ならではの方法であります。
 
 
▻創作方法
テーマに沿ってラボ生それぞれが題材を選び、一人芝居で創作作品を上演。その中から一つを選び、題材にちなんだ10分間の短編を創作。12編ほど完成し、現在プロローグ、そして創作した短編を構成した本編に向かおうとしている。
 
沢(5/22)
 

2013年5月20日月曜日

みんなで景色をつなぐ。

前回に引き続き、プロローグの中身を深めていきました。
1人ずつ(全員ではないが)語りのパートがあり、題材の時代背景等に触れ、イメージを構築し、バトンタッチしていきます。また、舞台のはじまり。ということでその語られ方、役者の在り方が重要であり、何度も柳沼さんから指摘があります。決して仰々しくなく,繊細すぎず、その人がそこに在れるように。

喫茶店シアンクレールの中だったり、電車の中だったり、役者みんなでそれぞれの語りの場に付き添い、雰囲気、感触を演出します。
はじまりの景色もだいぶ見えてきて、この後の展開もイメージしやすくなってきているのではないでしょうか。



プロローグ完成し。

今回は久々のアトリエ劇研での稽古。
本番となる会場となる空気をいっぱいにすって、練習に励みます。

この日は完成したプロローグ台本が配布され、それぞれの役割が段々と明確になってきました。
前回までの箇所を丹念に繰り返し、そして今回配布分の流れの解説がありました。


稽古後、スタッフ関連の話し合いがありました。
今回は宣伝美術について。もう間もなく完成となります。そして今回はテクニカルディレクターの西田さんも見学に来られていて、ラボ生とスタッフワークをどのように進めていくかの打ち合わせをしました。舞台、照明、音響、広報、制作に関して、ラボ生が主導しながら進めていきます。3年目ですので、もうほぼラボ生だけでのスタッフワークも可能なのかもしれません。すごいことです。



2013年5月12日日曜日

スタッフワークも同時進行で。

昨日のラボは阪本さん主導で、前回配布の台本の中身を進めていきました。
自主的に作品を深めていく流れがあって、話し合いの場でも積極的に意見が飛び交います。
 
そしてスタッフワークもそろそろ活発になってきています。
写真は、講座の後半で行ったチラシ会議。どのデザインのチラシにするのか投票をしていました。そろそろチラシもお目見えとなりそうです。お楽しみに!
 

2013年5月10日金曜日

公演稽古スタート

 
今回よりドキドキの公演稽古スタートでした。
柳沼さんより台本が最初の2ページ配られ、まずは声に出してよんでみました。
そこから、役名をそれぞれが自分で考え、その後配役されていました。

『有機的にみせたい』

との柳沼さんよりの言葉。
役者がそれぞれで対等に舞台に立ち、それぞれのあり方で言葉を交わすということ。
今まで短編をラボメンバーで創作し、作品にし、そしてみんなで一人の人物、そして時代背景を学んできました。ですのですっと自然に出来てしまうことなのではないかと思います。確実にそれくらいの努力をしてきています。

今回は2ページの台本でしたが、導入部分ということで、作品のスタンス、全体のビジョンを強く読み取ることができました。さてこれから。 楽しみです。

2013年5月6日月曜日

最後の大事な話し合い。次回からの作品作りに向けて。

今回のラボ。
前回に引き続き『学生運動』のプレゼンよりスタート。
自分がその時代に生きていたらどうするだろうか。という語り口が多く見受けられました。特に若い世代の方は、大学、バイト先での友人との関係、会話を引き合いに出しながら話をしているのが印象的で、あきらかに当時の学生運動が起きていた時代とは”違う”ということがわかりました。
 
 
全てのメンバーのプレゼンを終えてから柳沼さんが主題としたのは、「当時の”感覚”のリアリティを、どう現代の舞台にあげるか」という点です。この感覚を持つことが、大きな武器になるということです。
 
そこで先ほどの、どういう点で当時と現代との”感覚”の”違い”があるかを話し合っていきました。話し合いの中で、「あ!」と何かに気づく方が多く、話が腑に落ちていっているのがわかりました。
違いとして、当時は「いじめ」や「無視」という言葉はあまり使われていなかっただろう点。そこから、ひとりに引きこもる感覚はなかったんではないかという点。そして、当時は『繋がり』ありきの社会だったという点。まで話は進みました。
そのあたりを、それぞれの感覚にどう落としていくかは、これからの課題であると思われます。しかしメンバー間で大きな共通項ができたことは確かだと思いますので、とてもいい時間になったのではと思います。
 
 
次回からは作品創作。いよいよとなります。
最後に、柳沼さんから『売れる劇団になるためのコツ』が伝授され、講座終了となりました。
 
 

2013年5月3日金曜日

一人一人がクリエイターを目指す。

今回のハナレズ。
 
いつも通り、お手玉から。
 
 
 
その後、今回の題材の元となる、『タカノエツコ』像についてのそれぞれの考えをプレゼンしていきました。
手記はもちろん、タカノさんの生きた時代背景も学び始めているなか、メンバーはそれぞれの見解を述べていきました。そしてそれを受け止める柳沼さん。
それぞれの意見を受け、自然と話し合いが始まりました。「それ、自分もわかるな。」という意見であったり、人の意見を聞いててうなずく姿であったり。
 
続いて『学生運動』についての考えをプレゼン。
大きな事象であり、学ぶだけで多くの時間を要します。そして意見があがるなかで、考えが途中で止まっているものがあり柳沼さんがそれを指摘。
「物事に対して、思考停止に陥らないこと。」
こういった意見をもらっていました。思想以前の問題として、自らで学び考える力を持つこと。
 
柳沼ラボの最終目標。クリエイターとしてひとり立ちすること。
まだまだ大きな壁が多くあると思いますが、初心をわすれず、アクターズラボメンバーとして巣立ちの時まで立ち向かっていってほしいと思いました。


2013年4月27日土曜日

公演タイトル決定!

メンバー全員で、資料を探したり、実際に当時を知る人にインタビューしたりしながら、それらをメンバーで共有する作業が続いています。稽古場で交わされる会話の中にも、1969年頃の時代のにおいが漂ってきます。メンバーの勉強の成果が出ているように感じます。左の写真は講座前に勉強の成果を共有するために行った板書です。ちなみにこれは学園紛争の背景にある、左翼思想とその団体について図解しているところです。

 さて、今日はいよいよ作品の具体的な枠組みが演出より示されました。今回の作品では「京都という街(場所)」、「人はどう生きるか(生き方)」という普遍的なテーマ、そして、それらが『二十歳の原点』という題材の上で、有機的に結ばれるような作品になりそうです。
続いて、メンバーの合議で作品タイトルが決定しました。
タイトルは『あかるい場所まで』
いいじゃないですか。

意味に関しては、メンバーが更新しているブログなどをぜひご覧下さい。
写真はタイトル決めの風景です。

いよいよ作品がぐぐっと立ち上がってきそうです。





2013年4月24日水曜日

過去を学ぶ。

4/24のラボ。今回は勉強会を実施。
学生運動の派閥、関係性、活動等を報告し合いました。どれも詳細な資料を集め、また、実際にインタビューを重ねたりして、メンバーの実感とともに、生きた知識が蓄積していっているように見受けられます。


さて、柳沼さんからの言葉で印象的だったものが、「現代、『大きなもの(ex.政府)』に”闘えない”という感覚がある。しかし学生運動の時代は、おかしいんじゃないかというものに、連帯して立ち向かえた。」ということがありました。
立ち向かうことが現実的な行為であり、変化をもたらす可能性があったということ。今は僕たちは断絶されているということ。


過去の熱に想いを馳せながら、今の時代に向けて演劇作品で何が生み出せるか。真摯に考えていっていることと思います。 



2013年4月14日日曜日

当時を知る方にインタビュー実施。

劇研アクターズラボ+烏丸ストロークロック
 
 
昨日は、今回のテーマとなる「二十歳の原点」の著者、高野悦子さんと同世代、同じ大学に通われていたという方に直接お越しいただき、当時の様子を伺うことができました。
創作過程で段々と演技に移る中、当時の感触をしっかりと手に入れたいということから、今回のインタビューとなりました。
 
全員で円になってその方の話を伺いました。
ラボメンバーの方で時代背景を調べ、質問も用意していたのですが、その方が快く話して下さり、当時の学生の様子、京都の様子を深く知ることができました。
特に学生運動のこと、男女関係のことはより深く話を聞いていました。
 
生の感覚、匂いを大事にするハナレズ、そして烏丸ストロークロックだからこそ今回の取り組みが実現しました。いい機会を得、残り3か月ほどの創作に弾みがつくのではないかと思います。
 
 

2013年4月6日土曜日

「語り」発表会

本日は烏丸ストロークロックのラボ。
ラボ生創作の「語り」パートの発表会でした。

前回の指導を受け、自主練も重ねた後が見え、グンと良くなっていました。何より話が入ってくるようになったこと。
ですが作品として見るとまだまだ改善点多く。
柳沼さんは 、前回の烏丸ストロークロックで一番大事にしていたこと、『いかにお客さんに想像させるか』ということを強く伝えていて、それにはまず、演者がイメージしていること。そして、お客さんの『想像』のトリガーを引くきっかけづくり。が大事なんだと。


これから先、柳沼さんもラボ生の創作に少しずつ混じっていくようです。


講座後、作品について、スタッフ、スケジュール面についての話し合い。
着々と本番に向けて準備を重ねます。


2013年3月28日木曜日

独り語りを繋げる。

伊丹での烏丸ストロークロック本公演が終了し、次の広島を控えての講座です。
今回はあまり講座につくことができなかったのですが、それぞれに烏丸ストロークロックの本番を観たこともあってか、イメージが膨らんでいるのは感じました。私も作品を拝見させていただきましたが、ラボで行っていることとリンクする点が多くありました。それぞれに目標とする俳優、演技、作品のビジョンがみえてきたのではないかと思われます。



さて今回は、それぞれに作っている独り語りのシーンをいかに全員で繋げていくかということをやりました。
被っている内容はないか、説明している場所のイメージは共有できているか、動きをどう入れていけば上手く繋がるのか等々。
本日は柳沼さん不在で、演出補佐の阪本さんが指導役に。いつもより自由度が高い稽古場で、それぞれに意見を出し合いチャレンジを重ねていました。



次回は4月。
考えてみれば本番まであと4ヶ月をきっています。
ラボ生主体の創作劇。どのような作品になるのか。いづれにしても劇研アクターズラボの新たな指針となることと思います。




2013年3月22日金曜日

久々のハナレズ。

久々のハナレズ。
作品の骨子も決まり、本格的に作品が動き出しそうな雰囲気。

現在烏丸ストロークロックの大事な公演が開催中のため、講座が飛び飛びになっています。そんな中でもラボメンバーはずっと自主練を続けている様子。ハナレズも3年目を迎え、与えられるチームから、自ら生み出すチームへと変貌を遂げてきました。



今回は語りの部分。劇中の状況を「語り」で伝える場面。
まず一回目。当時の状況を説明するため、専門的な用語や地名が飛び交いなかなか伝わってきません。そこから、それぞれのイメージをいかに伝えられるか。というところで稽古が進んでいきました。
後半、良くはなってきましたが、「情報」が足りないのではないかという柳沼さんからの指摘。当時を体験している人に直接インタビューをしていこうという話に辿り着きました。次回以降、生の証言を集めるため外との接触が増えていくことと思います。もし当時を知っている方おられればご連絡いただければ幸いです。


本日より!!!

烏丸ストロークロック 新作三都市ツアー公演(伊丹公演)

国道、業火、背高泡立草




3月22日(金)19:30
3月23日(土)14:00/19:00
3月24日(日)14:00

会場:AI・HALL

2013年3月4日月曜日

語り+芝居

三重での公演を終えた演出の柳沼さんが、久々に稽古場に復帰し、いい緊張感が漂います。今日の課題は受講生が自ら作って来た「語り」のシーンの完成度を高めることです。これは7月の公演に向けたシーン作りの一環です。人から聞いたおよそ50年前の人物にまつわるお話を今の若者達が語ることで、当時の人物像を回想の形で浮かび上がらせる仕掛けです。今日の練習では、受講生が自主練習で作って来たシーンを発表し、演出家からのダメだしを経て、繰り返しながら完成度を高めます。指摘を受けるとパフォーマンスがどんどん良くなるのがわかります。
さて、次回作は「語り」と語られた場面が演じられる「芝居」の部分で構成されることが演出家から説明されました。これまでの練習で繰り返して来た、「語り」の部分に加えて、これからは「語りの内容」の部分(回想そのもの)のシーンが演じられる「芝居」が加わってゆくことになりそうです。そして、まずは12〜13あるシーンの「語り」を作るところから、本格的な創作がスタートします。先はまだ長そうですが、いままでやってきたワークが全て下敷きになっていますから、それらの蓄積はきっとこれから活かされてゆくことでしょう。
 

2013年2月19日火曜日

各自の創作をまとめる

今日の練習で行なわれた作業は、各人が自分が出会ったある人物の様子を描いて来た作業を、すり合わせることでした。各人の「証言」をつなぎ合わせて、それぞれが出会ったある人物の姿を浮かび上がらせる試みです。
 「どこで出会ったのか」場所の特定に始まり、その時の状況を克明にすり合わせ、確認ます。そして、それを確認した後、全員で時間の流れに沿って「証言」します。

下の写真は証言してる様子です。創造過多になると、嘘くさくなってしまいます。人をじろじろ観察するなんてことは、日常にはあまり無いので、ちらっと見たりとか、ちょっと話をした様子とか、その些細な出会いの感覚で証言するのがもっともリアリティーを感じる気がします。そして、その時そこにいた人でなければわからない状況、どんな雨だったかとか、においといった感覚的なことが、リアリティーを肉付けします。
 それらを全てフィクションで作るのですから、そう容易ではありませんが、日常の「リアル」を見つめるいいトレーニングになりそうです。

2013年2月5日火曜日

スタッフ決め


今日は稽古終了後に時間を取って、毎年恒例のスタッフ(裏方)の仕事分担を決めました。欠席の人もいたので、全ての役は決まらなかったのですが、概ね役割が決定しました。
 劇研アクターズラボでは、数年前から参加者ができることはできるだけ自分達で行なうことを方針としています。
ラボでの公演が終わった後、仮にもっと演劇を続けたいと思って、自分達でグループを立ち上げるとか、どこかの劇団に入って活動するとなった時に、「演技だけしていればいい」というような恵まれた環境は現実にはあまりないからです。大手で無い限りプロの劇団でも、仕込み(舞台設営の手伝い)をしたり、衣装を集めたり(時には制作したり)、宣伝や事務的なお手伝いをしたりなどは日常的に役者も行ないます。若手であれば、大手の劇団でもそうしたことは行なわれているに違いありません。ですから、スタッフワークも積極的に体験してもらい、実践的な力をつけてもらおうとしているのです。
 この「ハナレズ」はそのあたりが徹底しています。予算管理から照明のプランまで、普通は「荷が重い」となる部分まで、受講生が行ないます。本当に劇団みたいです。継続で参加している人はすっかりたくましくなっていて、中には他の劇団の公演に、スタッフとして呼ばれている人もいます。
 各人の希望をもとに、担当を決めるのですが、それぞれが、得意な所に名乗りをあげるので、自然と適材適所に収まっているように思いました。
公演まで半年ですが、着実に準備が進んでいる感じがしました。

2013年1月17日木曜日

それぞれの視点を

劇研アクターズラボ+烏丸ストロークロック



今回は「タカノエツコ」さんの手記を再構築する最後の日。
アップ後、3チームの創作上演へ。

それぞれがやはり上達しています。題材の選び方、セリフの選び方、対話の仕方、演じ方。
そんななか、あるグループへの指摘の時、柳沼さんがおっしゃっていた「毒にも薬にもならない表現では済まされないぞ」というもの。これが強く印象に残りました。
タカノエツコさんの視点に縛られることなく、それぞれの視点が必要なんではないかということ。それが個性を生み出し、説得力のある力強い表現になっていくのではないかということ。


今回で一段落です。来週から、これまでのみんなの努力が、ひとつの作品として結ばれていくと思います。とても楽しみにしています。




2013年1月10日木曜日

人物の背景

初めて「ハナレズ」の担当につかせていただきました、浅田です。

まず驚いたのは、アップから、非常に緊張感を持って皆さんがやっておられること。まずはお手玉、そして次は棒を使っての「波」を表現するワークへと。

新年初のラボということもあってか、「波」のワークのほうを今日は重点的にやっておりました。

まずは、3名から、そして次は6名へ。




息を合わせる、ということはまず大前提ですが、両脇の棒に意識を向けるのと同時に、「誰が」メインとなって仕掛けているのか、そして自分の身体の稼働域をもっと超える動作ができるかどうか。

作品作りにあたっての、それぞれが持つ空気感の統一にもつながることでもあり、
柳沼さんの指示のもと、45分ほどこのワークを。



そして、その後それぞれのチームの発表にうつりました。
ひとがそこに生きており、そしてその背景はなんなのか、どういう思いをもってその場に立っているのか。「演劇的」に描くのではなく、そこにひとが生きているということをいかに表現するか、ということに対し柳沼さんから厳しくアドバイスが飛びました。


今後も創作が続きます。非常に面白い作品が生まれそうです。