2011年11月26日土曜日

「山下君が死んだ後のこと」

11月26日に行なったワークについてお伝えします。

柳沼さんが京都にいないため、阪本さんが見守る中、ワークが進められました。タイトルの作品は、課題として与えられている台本の名前です。配役も決まっているため、最初に読み合わせを2回しました。その後、簡単なセットを机と椅子で組んでみて、荒立ちをしてみました。台詞を覚えてくるはずが、なかなか覚えられていない方もいたため、シーンの進みが悪い箇所もありましたが、やはり自分の台詞だけを覚えてきてしまうと、ぎくしゃくした感じになってしまいます。そういった場面が少しだけ見られましたが、やはり立ってからの参加者の空気が変わったのが、一番面白かったです。頭の中に入っている台詞が、身体にしみ込んでいく様と言いますか、やはり俳優は心身ともに動かして初めて、リアリティが立ち上がってくるものです。もちろん、会話が入りきっていないのに立ち稽古を始めてしまう危険性もあるのですが、それはそれぞれの考え方があります。今回の稽古では、参加者の皆さんが「そろそろ立ってやってみたい」という空気があり、逆にとてもやる気を感じたのです。

課題台本は、個別での稽古がしやすいようになっています。シーンシーンで区切って練習する事が出来るので、おそらく参加者の皆さんは自主稽古をされると思います。と思っていたその日に、早速参加者が自ら自主稽古を1時間追加で行なっていたようです。お互いに見合って、お互いの演技についてあれこれ言い合う。自然にこれが出来るという事は、集団としての力があるんだと思います。発表は1月ですが、今からとても楽しみです。

2011年11月19日土曜日

ハリウッド映画の完全コピー

担当の伊藤です。しばらく更新が滞ってしまって申し訳ないです。アクターズラボ+烏丸ストロークロック、通称柳沼ラボは順調です。
今回は、ハリウッド映画の完全コピーを参加者が二チームに別れて作ってもらいました。Aチームは「ダイハード」、Bチームは「スパイダーマン」。最初にAチームが発表してくれました。そして、作品の出来に、少し驚きました。なかなか面白かったのです。2時間の映画を10分程に縮めているのですが、上手くシーンを抜粋して、ダイハードの物語がちゃんとお客さんに伝わるようになっていました。演技のクオリティに関してはもちろん色々とあるのですが、しかしダイハードを体一つで表現しよう、という気合いが随所に感じられました。Bチームの作品は、全体的な印象は弱かったように思います。勧善懲悪の作品を体現してみる、といったタスクがあったのですが、スパイダーマンは心理描写が多いのか、物語の軸が見えにくかったように思います。やはり、軸が通っているのといないのでは、俳優の表現が変わってくるように思いました。軸に沿ったときの方が、俳優がノっているように見えるのです。軸が無い場合、俳優も千鳥足で舞台上に存在しているような印象がありました。
次回からは、柳沼さんの代わりに阪本さんが講師になって、「山下君が死んだ後のこと」という作品を仕上げて行きます。「山下君が死んだ後のこと」は柳沼さんが大学四年生に向けて書いた短編作品です。3回程回し読みしたのですが、参加者それぞれ楽しみながら読んでいたようです。人の死を扱った作品ですが、この短編がどのように仕上がるのか、本当に楽しみです。