公演も迫ってきました。作品の創作も最終段階に来ています。
劇作も兼ねている柳沼さんから、この作品の背景に込められた意図について話がありました。(単なる青春群像劇ではなく)現代の我が国が抱える問題がこの作品の中で浮き彫りになってゆくという内容でした。物語はもちろんフィクションですが、登場人物はどこかで会ったような、どこにでもいそうな若者達です。演技者に求められるのは、そのリアリティーであり、存在感です。丁寧な作り込みをおこなっている理由は、そうした存在感が各キャラクターから漂うことで、人間のさがや、社会の現実をくっきりと浮かび上がらせるためでもあります。しかし大切なのは、型にはまった、ステレオタイプなメッセージに陥らないこと、と演出家はいいます。実際生きることは、もやもやとしてすっきりしない中から、何かを選択してゆくことなのだと思います。近頃テレビや政治もわかりやすいメッセージにあふれていますが、この作品は「これがいいんだ」という正解を与えるのではなく、考える機会を与えてくれる作品になってゆくことでしょう。
今日の練習を見ていても、面白さと同時にせつない気持ちにもなりました。完成が楽しみです。役者さん達は、熱心に自主練習を続けています。作業量はなかなか多くて、大変だと思いますが、もう一息です。頑張って下さい!