2012年1月28日土曜日

恋愛のシミュレーションの効果

1月28日に行なった柳沼ラボの様子を報告します。

只今、本公演に向けて徐々に本格的に試行錯誤が始まっています。今年のテーマは、恋愛論らしいのですが、その実験がとてもとても面白いのです。
詳細は、 ハナレズ2ndのブログを参照下さい。 http://hanares.blog.fc2.com/blog-entry-74.html

ハナレズの皆さんは、非常に仲間意識が高く、公演クラスとしてチームメイトを作り上げていく過程が非常に面白いのです。年齢が近いせいもあるかもしれませんが、制作過程をドキュメントすると、とても興味深いものになる予感がします。

それはさておき、恋愛のシミュレーションです。今回のエチュードでのテーマは、「女性がどうしてもHがしたいのだが、男性はそれを拒む」というものでした。赤裸々に書いてしまいましたが、本当にこういったテーマをひとまずエチュード(即興)しているのです。

思うに、日常生活において、恋愛程劇的な事は無いかもしれません。と思う程、演技の表情が豊かになる参加者の皆さん。非日常的な演技をするにあたって、当初は恥ずかしさももちろんあるにはあるのですが、恋愛が土台になったとたん、男性も女性も、どこか雰囲気が豹変して(変な意味じゃないです)、非日常の世界へ足を踏み入れていきます。その過程の面白い事。恋心といったものが、如何に豊かなものであるかを、改めて思い知った限りです。そして、この恋愛をテーマに演技をさせるという行為は、密かに、いやかなりの割合で、現代人の心性をぐいぐい引っ張る力を持っているんじゃないか。とも思いました。私たちは「愛しています!」と相手に、日常的に伝える事はしません。でも、演劇が行なう事は、そういったレベルの話であったりもします。物語る事とはつまり、わざわざ物語っている事なのです。物語る必要がそんなに無いかもしれないけれど、実は物語るととても人間として成長しているような気持ちになる事。恋愛を物語る、恋愛を演じるとは、私たちのベールに隠れた人間性を、如実に表すことに、近い行為に思えました。

しがみつく、服を脱ぐ、服を脱がせない、密かに拒否る。

上記のような事を、私たちも、誰も見ていない所で、きっとやっているに違いない。もし今現在、上記のような、他者との関係性を構築するにあたってのダイレクトな行為を、たとえ今やっていないとしても、いつかはやるかもしれないし、どこかでやりたいと思っているかもしれない。という事を改めて考えながら、それが表現として、どういったレベルにあるのかを考える。柳沼ラボが実験している事の先に、どんな表現が立ち上がるのか。とても楽しみです。

2012年1月7日土曜日

柳沼さんを前に通しをしました。

新年あけましておめでとうございます。担当の伊藤です。1月7日のワークの模様をお伝えします。

この日は、通しをしました。『山下君が死んだ後のこと』の発表です。柳沼さんが京都に戻られたので、皆で27時間程の稽古を経ての発表でした。詳しい内容は、ハナレズブログにもかかれていますので、そちらを参照して下さい。
http://hanares.blog.fc2.com/

発表が終わった後、柳沼さんはもう一度やってみるかどうかの問いを、参加者の皆さんに与えました。そこで2回目の発表となったわけです。結果としては、2回目の方が会話のテンポが圧倒的に良かったように思います。1回目の発表と2回目の発表で、いったい何がどう変化したのでしょうか。発表の間の時間は、10分程しかなかったため、稽古をして新たに演技が上達する、という事はありえません。であれば、変化したのは、俳優の気持ちです。台本の脚本家・演出家を前にした時に、これだけ気持ちの変化=気合いの変化があるという事が、良いことなのか悪い事なのか、とても難しいところですが、しかし参加者の皆さんは、どこかしら悔しそうでもありました。

次回以降は、作品制作に向かって、「恋愛論」について考えたり、発表したりしていくそうです。

今日の印象的だった言葉
俳優は人間を演じるもので、善悪だけで割り切れない、様々なものが人間の中では蠢いている/何かを演じるにあたって、自分の無意識をもっと意識しなければならない/