2012年12月20日木曜日

つきつめて想像する。

高野悦子さんの日記をまとめた『二十歳の原点』を基にした創作の練習が続きます。この本は、私ぐらいの世代にとってはまだ親しみがあろうと思いますが、1980年代以降に生まれた方にとっては、今回初めて名前を聞いたぐらいかもしれません。
 なにより、この本が書かれた頃(1969年頃)の若者が考えていたことは、今の20歳とはずいぶん違う気がします。もちろん若者が悩んだり、葛藤したりする感覚はそう変わっていないとは思いますが、価値観や社会の様子はだいぶ違っているように思います。
 演出家のこだわりは、まず「人が生きているリアリティー」を芝居に出現させること。そしてさらに、おそらくその背後にある社会的な(時代背景を伴った)「リアリティー」を感じさせることも求めているに違いありません。特に後者は、かなりハイレベルな要求だと思います。時代の様子や、状況を資料を元に外面的にとらえる(観念的に理解する)ことはそう難しいことではありませんが、身体性を伴ってとらえることはプロの俳優でもなかなか難しいように思います。人がどういう心持ちで生きていたかや、どんな価値観を持って生きていたかなどは、結局想像してみるしか手が無いないと思います。しかも、頭での想像ではなく動きや、仕草に現れるレベルで。
 そんな経験はこうしたことでもなければ、なかなかしないことでしょう。
 彼らが熱心に「日記」を読み解き、それを身体化しようとすることは、まさに劇的な行為です。そんな作業を見ていると、演劇は時代や人を鋭くみつめる装置なのだと感じます。彼らが60年代にどう迫るか、期待したいと思います。

2012年12月16日日曜日

タカノエツコさん手記より

引き続き、創作。
1月中旬までに12個の10分間のシーンをまとめていきます。

もう何回か創作に取り掛かっていますが、段々とスムーズになり、要点を捉え質が上がっていっています。また、自らの創作による効果が随所で出てきています。


自分たちで創作したからこその間、実感を伴う感触。そして、他の班のダメ出しを各自が必死におっています。自らの創作するための糧にしようとしているのが印象的でした。

それとタカノエツコさんと私の父が同じ立命館、日本史専攻であったことを知り、驚きました。

2012年12月13日木曜日

過去のかおり

劇研アクターズラボ+烏丸ストロークロック




12/8 左京西部いきいき市民活動センターにて

学生運動の時代、京都に生きた「タカノエツコ」さんの手記を元に、10分間の創作に挑みます。1月中旬までに12個つくるのが目標です。

前回で2つ。道のりは長いですが、メンバーでチーム、シーンを決め、創作していきます。


全体で4チーム。2〜3人の組みとなります。毎回のラボに合わせての創作。自主練の日々が続きます。発表ごとに柳沼さんの感想があるのですが、全体で共通して集約していく部分がありながら、構成がすっと上手くいくような、メッセージが浮かび上がってくるようなアイデアを提示します。
今回、ぐっと引き寄せられる瞬間が何度かありました。過去の情景が立ち上がり、過去の匂いがしてくる瞬間。その時が一番魅力的です。
過去が垣間見えるとき、それは現代よりもピリピリと張りつめていています。
引き続き創作が続いていきます。


2012年11月30日金曜日

3年目の挑戦

アクターズラボ+烏丸ストロークロック:ハナレズ
 
 
今回は、ラボ生による創作の発表です。
前回より、3名ずつの3チームに分かれて、自主練により作品を作り上げてきました。
「タカノエツコ」さんの手記からの創作。前回からの2週間、作品を1から立ち上げること、とても大変なことだったかと思います。お疲れ様でした。  


発表の方、すべて拝見させていただきました。
1,2チーム目は、日常の光景を切り取り、流れを作っていました。3チーム目は、闘争真っただ中のシーンを、独白、身振り手振りも多く交え表現していました。 その中でも、違和感を感じさせない、スッと心に入ってくるチームが高評価でした。自然であることはとても重要なようです。そして、シーンの切り取り方も、少し視点を変えるだけでドラマティックになります。
さて、役者をするみんなの創作であるからなのか、役が体におちています。練習時間があまり取れなかったチームもあるでしょうが、役を自分で立ち上げ劇作していくこと。それが役柄を深め、存在感のあるものに仕立てていっているのだと感じました。 


 2年目までとは異なり、ラボ生の(ほぼ)完全創作の舞台を作っていきます。正直、難しい場面もこれから出てくるでしょうが、3年目、最後の年、大いなるチャレンジをし、それぞれに核となるものを持ち帰ってほしいと思いました。








 



2012年11月14日水曜日

創作を開始していく。

ハナレズ、今日も集中したアップからはじまります。
お手玉、棒を使っての波のワーク。



その後、作品の創作方法について、柳沼さんよりのレクチャーがありました。
これから先、ラボ生がチームになって脚本を書き、それに沿って作品を作っていくためです。


「タカノエツコ」さんの手記よりシーンを抜き出し、まずは10分ほどの作品を創作するわけですが、柳沼さんより2パターンのやり方が提示されました。

一つ目は、エチュード式。もう一つはストーリー式です。
前者はシチュエーション、人物のみ設定し、役者が順々に舞台スペースに入っていきます。それを繰り返し、イベントを発生させていきます。それを記録、台本化していきます。
後者は、シチュエーション、イベント、人物を決めます。まず台本をイベントにとって立ち上げ、試演を繰り返し精錬させていきます。


次回は2週間後、チームごとに自主練を重ねていきます。自ら作品を生み出すこと、これまでとは全く違ったラボの場になっていくことと思います。

2012年11月12日月曜日

魂を削る作業を。

ハナレズ、若松孝二監督の『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』の完全コピーにチャレンジしています。

今回は、柳沼さんにお披露目する回。緊張が走ります。


まずは2人のシーン。
一回目の演技を終え、柳沼さんが伝えたのは「なぜ、泣いていないのか」ということでした。映画では涙を流していたのに、舞台上では確かに出ていなくて、その差はなんなのかということです。
ここで、映画俳優が役作りにかけて来たであろう時間が想像できます。役を演じきるために、たくさんの知識をつけ、バックボーンを生み出し、そのシーンのからだ、こころの状態を再現し、役に没頭していく。
わずか2分ほどのシーンのために映画俳優はどれだけの時間をかけているのか。


見た目の再現よりも心情の再現を重視し、何回も何回も、映画に近づけるまでやりました。







全4シーンありましたが、常にそのことが意識されながらの実演。やる度に間を置き、集中する時間をとり、あるいは同じ舞台に立つもの同士の信頼関係を確かめ合い、本番に何度も臨んでいました。
やり終わった後はそれぞれに疲労していて、やはりこの状態になっているのが本来なんだろうと感じました。




じりじりと魂を削るような作業が続きそうです。






2012年11月3日土曜日

映画を真似る。


ラボ生が自主的に作品を創作していくことになる、ハナレズ第三期。
それゆえ非常にたくさんの宿題が課せられていっています。

今回は柳沼さんがおられなかったのですが、しっかりと宿題が出されていました。
最近亡くなられた若松孝二監督の『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』映画作品があります。その演技の模倣にチャレンジするというものでした。


その宿題が出されたのが10日ほど前でしたので、そこからメンバーは映画を見、配役を決め、メンバー同士で集っていたということになります。

次回も完全コピーに向けて、細かい表情、声色、そしてそれぞれのバックボーンを見つめながら、練習に励んでいきます。



2012年11月2日金曜日

集団ワーク、そして記憶をたどる。

10/24のラボ講座に関して。
投稿遅くなってしまいましたが、前回の様子をお伝えします。

一人一人の創作劇が終了し、集団のワークへ。
まずは、お手玉をみっちりやっていきます。いつもよりハードルをあげていきました。
そして二人一組、中指で棒を持ち、呼吸に合わせて波のイメージで身体と棒を動かしていきます。この間、私は外に出ていたのですが、終わって入った後の熱気がすごく、それぞれの表情が研ぎすまされているように感じました。三人以上でのワークもやっていた模様です。



その後、話合いへ。
今回は、公演の題材に決定した喫茶店についてです。元々一人創作劇で調べあげていたモノ以外をあげていきます。
ネットで調べたもの、現地に行き、近くの店をまわって聞いたもの。そして京都に古くからある喫茶店巡りをしたもの等々。
その中で、昔その喫茶店で働いていた方のインタビューをされた方がいました。その中には、喫茶店の店長ママの話も登場し、状況だけでなく、当時の感情まで思い起こされるような内容で、イメージが一気に膨らんだのではないかと思います。

思い出を聞き、共有する事はとても素敵なことですね。
生き生きと情景がよみがえります。


2012年10月18日木曜日

人と人

ハナレズ、創作一人芝居が終わって一段落。
ですがすぐに次のステップへ進みます。今日のメインは本番の題材選び。そう、前回の発表作品から一つ、題材を選ぶんです。



さてまずは、メイン以外の部分から。
いつも通りお手玉からスタート。そしてその次に新しいことをやりました。
それは、1本の棒を落とさないように、2人ペアになって中指で挟みます。



まずは、サポートの坂本さんと柳沼さんでお手本を見せます。その後、坂本さんも混ざりラボメンバーで実践。
一方が息を吐き棒を押し出す。もう一方は息を吸い、受けとめる。交互に呼吸し、棒と人が、押して引いての「波」のように動いていきます。

柳沼さんがおっしゃっていたことで印象的だったのは、一人じゃ何もできないということ。押して。受ける。その2人がいるから、客を引きつける引力が発生する。という言葉です。


そしてラスト、題材選びへ。
「京都から失われてしまったもの」をそれぞれが探してきました。その中からひとつ、選びます。それぞれ、第一希望から第三希望まで発表し、また、理由を添えていきました。
選ばれたのは、学生運動時代のある喫茶店。詳細はおいおいお伝えするとして、この題材が、ダントツで一番人気でした。
意見として多かったのは、現代は失われてしまっていると感じる、学生運動時代の熱。
そしてもう一つは、その時代ならではの人の繋がり。柳沼さんは、特に後者の意見に対し、大いに納得されていました。上に書いたことにも当てはまります。

「人と人」、これから多くのリサーチをメンバーが敢行し、作品を集団で築きあげていきます。







2012年10月11日木曜日

一人の表現者として

今年三年目となるハナレズ。今回は、一人芝居の発表会です。
京都で失われたものを各自リサーチ。直接インタビューし、時にはネットで、時には本を読んで。調べあげたものを演劇の小作品に仕上げてきました。

まずは前回来れなかったメンバーがメンバー同士でお披露目していきます。
私が今まで創作過程を観ていない方が殆どだったのですが、それぞれ良く完成されていて持ち味が出ていました。柳沼さんからの指導を受ける時間があまりなかったにも関わらず、よくしっかり舞台に立てていたと感じました。


そして、19時45分よりお客さんを呼んでの本番スタート。本番と同様の緊張感が走る中の一人芝居でした。
計4回程度しかなかった稽古。そして集団ではなく、一人芝居という個人での孤独な闘い。意を決して、臨みました。


結果はどうだったでしょうか。それぞれ何を感じ、何を得たかが重要なように感じます。7月の本番まであと10ヶ月。そんな状況の中で、こんなギリギリの状況に立ち会えたことは、とてもとても幸せなことだと思います。
三年目、一人の表現者として、それぞれが立ち上がっていくことを楽しみにしています。

沢大洋

2012年10月6日土曜日

孤独な闘い。

ハナレズの講座ありました。
引き続き、京都で失われたものを一人ずつ発表していきます。既に演劇の小作品になっています。

第三期ラボが始まって2ヶ月ちょっと。たった一人で10分間の自分の作品上演。柳沼さんは現状に留まらず、高いハードルを用意し続けていきます。
第二期までは集団の力が良い作品作りに繋がっているように見受けられました。しかし今回はダイレクトに個人の力を要求していくようです。確かに役者は、とても孤独な存在のように感じることがあります。自分の力で活路を見出して行かなければならない場面が山ほどあると思います。

次回、発表です。
このワークで、それぞれの役者としての核に出会い、苦手なことも知り、大きく一歩目を踏み出せることを期待しています。
そして、それぞれがそれぞれの孤独な闘いを見、影響しあっていければ素敵なことだなあと思います。

2012年9月26日水曜日

何もない空間で、一人で演じる。


今日はハナレズの稽古です。
みなさんが宿題として創作してきた、失われた景色の作品発表です。
予備知識なく発表を見せていただきました。
演技の技術的なことはさておいて、参加者のみなさんが真剣に作品に向き合い
事前に何度も稽古をおこなっていることのわかる、質の高い発表でした。
何よりも一人で舞台に立つことの勇気に感じ入りました。
相手役とやり取りをしたり、お客様に話しかけたりというのは
外に発していく度合いが強く、その対象に寄りながら相乗で作っていけます。
しかし一人で舞台に立つときは、相手役も自分の中で想像し創造しなければなりません。
今回はそれに加えてその場の景色も表現しなければなりません。
なんと難度の高いことをと驚かされます。
一人よがりの演技というものがあります。
目の前の相手やシーンの状況や脚本の意図を無視して自分の中の思い込みで演じることだとします。
それではその一人よがりの演技は、周りに何もなければ成立するのでしょうか。
おそらく成立しません。
みなさんの発表を見て、そうなのかと気づかされました。
どちらも一人で演じていることは同じです。
しかし片や自分の中だけで完結し、発することにこだわるのに対し、
みなさんは周りの景色ややり取りをしている対象をいかに明確にし受け止めるかということに苦心するのです。
自分の外にあるものをできるだけ自分から切り離して強く想像し、
それを観ている人に明確に伝えるために感覚を開いて受け止めていく。


発表後に柳沼さんからそれぞれの作品により質を高めるための指針が告げられます。
場所に入ったときを丁寧に表現すること。
思い切って演技をすること。
つまりはその場にいる感覚を大きくすること。
周りへのイメージを細かいところまでつめていけば、単純に動きや所作が変わってくるでしょう。
またイメージから受ける度合いを強くすれば、対象をもっと明確に表現できます。
そしてそのイメージと出会う瞬間が一番の勝負なのでしょう。
次回の稽古で指針をふまえて創作したものを発表し、
その次の稽古ではみなさんのお友達を稽古場に招き10分の作品を観てもらうそうです。
初めて観る方にどんなイメージが見えてどんな反応が起こるのか楽しみでなりません。

2012年9月22日土曜日

お芝居をつくる

稽古日 2012.9.19

今回も引き続き、京都でなくなってしまったもの、こと、についての発表でした。

既になくなってしまっているものを、資料やインタビュー等から自分の中で想像し、人に伝わるよう組み立てる。

もう既になくなっているということが条件ですから、自分自身で見て確かめる事は出来ませんし、とても難しいと思います。

メンバーそれぞれが選んでくる題材が、とても多岐にわたり興味深く、みなさん個性あふれる発表でした。注目するポイントがみなさん違っていて、とても面白いなぁと感じました。発表を聞いていて、匂いを感じたり、人の思いを感じたり、音を感じたり。

今回すでに芝居の形で発表された方がいましたが、来週は全員、芝居の形で発表されるようです。ハナレズは今回、台本もメンバーで作るということで、その予行演習も兼ねているようです。始まったばかりですが、今年も進化するハナレズ、注目です。

2012年9月17日月曜日

なつかしい。イメージが湧いてくる。

前回に引き続き、京都で失われてしまったものの発表をしました。それぞれ、前回より深く調べてきており、フッと情景が湧いてくるもの、そして演劇作品になりそうなところまで進んでいるものもありました。
そして初めての発表の方もいて、非常に興味深く拝見させていただきました。

次回以降、それぞれの進度に合わせて調査、そして作品へとしていく模様です。

私は、新クラスになってからはじめての担当だったのですが、新加入メンバーの緊張もかなり解け、そして前回メンバーが引っ張っていく形でラボが進行しています。
毎回担当につけるわけではないのですが、このクラスの行く末をしっかりと見守っていきたいと思います。



2012年9月10日月曜日

「温度」に触れてくる。

休みを挟んで、2週間ぶりのラボとなりました。前回宿題に出されたことを一人ずつ発表するワークが行なわれました。ここ京都において失われたもの(無くなってしまったこと・もの)について、それぞれが他のメンバーを前にして(いきいきと)発表しました。映画館や有名な喫茶店など、なつかしさを感じさせる発表もいくつかありました。
 演出家からは「次回に向けてもっと深めてくるように!」という注文が出されました。本やwebで調べた「客観的事実」を発表するのではなく、実際にその「失われたものに関わった」人の体験や、それに対する想いなどが介在した話しを調査してくるというものです。一般的な情報ではなく、その人しか知り得ない情報、言い換えれば人の心が通う情報を探すということで、演出家のことばを借りるならば『「温度」に触れてくる』という宿題です。生の声を取材することも必要になりましょう。きっとその中からドラマにつながるような「いい話し」が出てくる予感がします。

2012年8月26日日曜日

イメージを深める

前回宿題に出された、「(愛する人への)手紙」を使ったワークが行なわれました。それぞれもちろん本当に好きな人にあてた手紙なのですが、読むのは別の人が読みます。読むというよりは(演劇らしく)書いた人になりきって、自分のことのようにメッセージを語ることが要求されます。まずは、手紙通りの内容を。そしてその後には文章を離して、他人の体験を自分のことのように(足りない所は想像を膨らまして)語ります。
「(聞く人の頭の中に、いきいきとその光景が浮かぶためには)具体性が重要」と演出家からは鋭い突っ込みが、それぞれの語りについてなされます。対象となる人のことを、できるだけ詳細に想像してみることで、その人の人物像をよりいきいきと伝えることができるのです。
 さて、次回の宿題は早くも、次回作の題材を選ぶための重要なものとなりそうです。
「ここ、京都で、無くなったもの、失ったもの、捨てられたもの、消えたもの」を昭和以降で探してくる(調べてくる)とのこと。WEBを使ったり、公立資料館へ行くなどして、資料をひもとくことになります。京都だけあって、多くのいい題材が埋まっていそうな予感がします。

2012年8月18日土曜日

3年目のハナレズ始動!

今日から3年目のハナレズ(劇研アクターズラボ+烏丸ストロークロック)が始まりました。新たなメンバー3名を加え、今回は全部で11名のチームとなります。
全員集まっての初回!といきたい所でしたが、やむをえぬ事情で3名が欠席しちょっと乗り切らないスタートとなってしまいました。
柳沼さんからは、「遅刻・欠席は無しにしてもらいたい!(2年目は少し緩んだので、今年は最初から締めていきたい)」という檄が飛び、引き締まった空気で初回を終えました。
とはいえ、講座の内容自体はとてもリラックスしていてかつ、集中も高く、特に以前から継続のメンバーからは、今までの積み重ねが感じとれました。
 次回に向けて早速宿題が出され、いよいよ来週から創作に向けたワークに取り組んでいきます。9月になればメンバーがそろい、いよいよ盛り上がってくることでしょう。3年目の集大成が楽しみです。ちなみに次回の宿題は一人ずつ3分間のトークを考えてくる(書いてくる)。次回のテーマは「愛する人(恋人)について」(過去のこと可、アニメや直接接点がない有名人、実在しない人物を対象にするのは不可)とのこと。

2012年7月21日土曜日

最終年度へ

山下君が死んだあとのこと


無事終演致しました。
ご来場誠にありがとうございました。

ハナレズは8月より再始動します。
次が柳沼クラスの三期目。最終年度となります。


募集情報はコチラ

2012年7月8日日曜日

いよいよ。それぞれの。

いよいよです。台本も完成し、あとは一週間駆け抜けるのみ。スタッフワークも着実に進行し、そして本番の予約も埋まってきています。緊張が日増しに高まっていっております。昨日の稽古では、スピーディーかつ的確に指示が飛び、メンバーは精一杯応えていました。たとえ強めのダメ出しがあっても、メンバーそれぞれのスタンスで、前のめりの姿勢で受け止めていました。負けてなるものか、良い作品にしてやるんだという意志がそれぞれから強く伺えました。

本日も稽古している模様です。今までの1年間、メンバーによっては2年間の蓄積をぜひ信じて頂きたいと思います。それくらいに濃密な時間を共有してきているチームです。
 本番まであと6日。いよいよです。

2012年7月5日木曜日

作品の背景

公演も迫ってきました。作品の創作も最終段階に来ています。
劇作も兼ねている柳沼さんから、この作品の背景に込められた意図について話がありました。(単なる青春群像劇ではなく)現代の我が国が抱える問題がこの作品の中で浮き彫りになってゆくという内容でした。物語はもちろんフィクションですが、登場人物はどこかで会ったような、どこにでもいそうな若者達です。演技者に求められるのは、そのリアリティーであり、存在感です。丁寧な作り込みをおこなっている理由は、そうした存在感が各キャラクターから漂うことで、人間のさがや、社会の現実をくっきりと浮かび上がらせるためでもあります。しかし大切なのは、型にはまった、ステレオタイプなメッセージに陥らないこと、と演出家はいいます。実際生きることは、もやもやとしてすっきりしない中から、何かを選択してゆくことなのだと思います。近頃テレビや政治もわかりやすいメッセージにあふれていますが、この作品は「これがいいんだ」という正解を与えるのではなく、考える機会を与えてくれる作品になってゆくことでしょう。
 今日の練習を見ていても、面白さと同時にせつない気持ちにもなりました。完成が楽しみです。役者さん達は、熱心に自主練習を続けています。作業量はなかなか多くて、大変だと思いますが、もう一息です。頑張って下さい!

2012年7月4日水曜日

本番通し練習

稽古日 2012.6.30


本日は通し練習でした。

通し練習をしてからの指摘。
細かい外側からの印象のチェック。
あとは強調したいシーンを効果的に見せるための緩急の程度の調整など。

自分はこのクラスを張り付いて見れているわけではないので、全てのシーンを見れている訳ではありません。ただ、シーンによっては初見では無いシーンもありました。見るたびに感じていることですが、以前に比べて、役の感情が体になじんでいる感じがどんどんパワーアップしています。これが自主稽古を沢山やられているこのクラスの強みでしょうか。


特に今回びっくりしたのが、とある女優さんの色気ですね。うまく表現できるかどうかあまり自信がないのですが、役の中で絶妙に女性の色気を表現されていました。最初素っ気ない状態から少しずつ心を許していく過程を、微妙な表情や仕草で表現されていました。正直、役でここまでできるのはちょっとプロだなと感じました。


公演もどんどん近付いてきていますが、是非ご期待下さい。

2012年6月28日木曜日

良質な作品が生まれる現場。

初めてハナレズの稽古を見ました。
まずは柳沼さんから衣装についての伝達。キャラクターの役割のことを交えながら衣装のイメージが伝えられていきます。
その後、劇研で公演されたディディエ ガラスさんの作品を柳沼さんが見られていて、そのことから柳沼さんが考える役者論について語られました。こんな話を通して集団の中での目指すものが共有されていくのでしょう。


そしていつものお手玉まわし。名前を呼んで相手がはいと返事があってお手玉を投げる。お手玉の受け渡しよりも名前の応答がどんどん先へ進んでいきます。場の集中度が高まったところで名前を呼ぶのをなしにしてアイコンタクトで応答していく。静かな緊張感。お手玉を落としたら終了。終わった後にお手玉を落とさずまわすポイントが語られます。全体で作っているリズムに自分も参加しキープしていくこと。イレギュラーが起こっても慌てて余計な動きを入れずシンプルに動くことに注意する。舞台上でも同じことでイレギュラーやハプニングはライブなので起こりえます。そんな時にいかに慌てずシンプルに動くか。慌てないでいると言葉で言えば簡単ですが慌てないためにどうするのか。頭や言葉でなく体で掴むしか無いことなのでしょう。


シーンの抜き稽古。シーンが展開していくことを分かりやすくするためにシーンとシーンのつなぎの部分をどうするのか。どう間をとるのか、セリフを言うスピードをどうするか、動きと声をどう扱うのか。柳沼さんからシーンで見せたいこと、演出意図を交えながら繊細に明確に指示が出ます。稽古を見ていて稽古場の雰囲気に驚かされました。それはピンと張った細い糸のような緊張感と高い集中力。演出の指示を聞くときの真摯な眼差し。たとえその指示が他の人へのものでもみんながそれを聞いて全体で受け止めています。そして受けた指示をどう扱い演技に結びつけるか自分と向き合いながら内省しているストイックな姿。創作過程なので確かに目指すところに及んでいないことはあります。しかしこの稽古場には目指す作品の姿を実現させるエネルギーで満ちているように感じました。本番でどんな作品が立ち上がってくるのか。本当に楽しみです。





2012年6月22日金曜日

作品の輪郭がみえてきた。

今回のラボは通しでした。現在、3分の2ほど完成している脚本。セリフもすっかり入っていて、シーンをしっかりと通すことができました。
私はぐるぐると舞台を回りながら撮影を行いました。(今回、舞台が少し特殊です。)いろいろな角度から演技をみることができ、映画の撮影をしているようでした。

メンバーの演技ですが、やはり自然体で出来ており板についてきています。ですがキャラクターが薄くて、どういう人物かわかりにくいという指摘がありました。シーンも良いところ、悪いところが両方あり、これからの課題が見えてきています。


そしてラボ終了後、近くのロッテリアにてスタッフ会議を行ないました。
テクニカルディレクター、演出家も交えての会議で、本番が強くイメージできる話合いが出来ました。

作品に関して、いいペースで仕上がってきています。
ですが油断は禁物。そして深く深く作品をさらに練っていけると思います。これからのさらなる進化を期待しています。

沢大洋

2012年6月18日月曜日

衣装合わせをしました!

今回は、衣装合わせをしました!
パターンが複数あるようで、どの組み合わせが良いかみていきました。自前のものを組み合わせて雰囲気を合わせていきます。
その他スタッフワークも順調です。イメージが柳沼さんより伝えられ、着々と製作の段取りが組まれていっています。




さて『ハナレズ』というこのユニット。
スタッフワークもほぼメンバーでこなしますし、自主練も頻繁に行なわれているようです。
そんなハナレズですが、ブログをずっと書き続けております。チームの仲の良さ、関係がよくみえる素敵なブログになっていますので、是非是非のぞいてみて下さい!
→こちら

2012年6月13日水曜日

何度も練習

台本ができあがってきたシーンから、どんどん稽古して仕上げてゆきます。
 今日の課題はバスの車内シーン。もちろん映画ではないので本物のバスは存在しません。ましてや、バスの車内セットなどあるはずもありません。前のシーンからわずかな道具の移動と、役者の演技でバスの社内を舞台上に出現させるのです。もちろん会話はかわされ、ストーリーは流れてゆきますが、同時に、そこにいる全員がバスに乗っているとき自然におこる揺れなどを再現しつつ、あるものは歌い、あるものは景色を見、あるものは寝るといった、さまざまな乗客を演じ、なおかつ打ち解けて和んだ車内状況を作りだすことが要求されます。台詞を台本どおりに言うだけではもちろん足りません。息のあった動きで、時々停車したり揺れるといった、車が走っている雰囲気を創りだしながら、あるものは盛り上がり、あるものは寝る演技を不自然さなく行なうのです。
役者さんにとっては、いくつもの段取りを同時に進行しなければならず、かつ集中力も要求されます。今の段階では、きっとダメだしされるたびに脳みそがパンクしそうな感じになっていることでしょう。
結局は何度も練習して、共演者達の呼吸を読み、段取りを身体に落とす(注:身体が勝手に動いて自然に段取りできる状態にすること)しかないのですが、逆に言えばこうしたシーンの完成度が高いと、観客は「おーっ」となるはずです。
もしこのシーンが映画だとしたら、移動中のバス内を説明する単純なシーンになると思いますが。演劇ではストーリー説明だけにとどまらない、パフォーマンスとしても面白い、厚みのある「場面」が生まれるのです。
観客の「おーっ」を目指して頑張って下さい!!

2012年6月8日金曜日

公演間近

稽古日 2012.6.6

本当に久しぶりに見させていただきました。前回の記事にもありますが、公演はもう間近です。(予約はこちらから)いま、どんどん本番の台本が出来上がっている状況なのですが、想像していたよりもクラスの雰囲気は和やかなものでした。緊張感も漂ったりもするのですが、わりとリラックスしている印象でした。

セリフを読んで、細かいダメだしがあり。それを受けてもう一度演技し直す。それらの繰り返しの作業。やはり客観的な目線を持つということはとても難しいことなので、外部からの印象を伝える、こうした方がいいということを伝えるというのはとても大切なものです。そういったものすごく基本的なことを改めて思いました。

今回、この台本は人の愚かな部分がよく登場します。そういった要素が今回の台本の中にはちりばめられていて、愚かでかわいい(かどうかは希望的観測ですが)人の姿が、そこかしこに現れます。自分自身もラボ生の演技を見ながら、日々の自分を振り返ったりしました。役者自身もきっと色んな自分を振り返っていることでしょう。そして、当日はお客さんも自らを振り返ることになるのでしょう。

あと、一ヶ月半です。

2012年6月2日土曜日

2つのクラス

2012/5/30 劇研アクターズラボ+烏丸ストロークロック ユニット名:ハナレズ



台本に沿ってシーンを練習しながら、各キャラクターの掘り下げを行なっていきました。
役者陣の理解が深まる程に、振れ幅の大きい演出が付けられます。それをクリアするのはなかなか難しいことですが、クリアするごとにキャラクターが深まります。
決してアイデア勝負ではない、人間の本来に基づいた、隙のない演劇。とてもいい時間が流れていました。

++++++++++++++++++++
今回は筒井さんのクラス、柳沼さんのクラスが同じ施設で行なわれたため、2つのクラスを交互に見ることができました。立ち会えた時間はいつもの半分でしたが、それぞれのクラスの違いを鮮明に感じ、それぞれが目指す方向について今までより明確に認識できたように思います。


柳沼クラスは特に今年2年目。
前回のブログでも書きましたが、長期間稽古を共にすることでの積み重ねが、着々と発揮される段階にきています。

・・・本番まであと1ヶ月半。
積み重ねてきたものを贅沢に使い切り、今回の作品で昇華させて欲しいと思いました。ぶつけるべき脚本がどんどん完成に近づいています。

沢大洋



2012年5月25日金曜日

意思の疎通

新たにページが追加され、台本を声に出して読んでみる稽古が中心となりました。
台詞が増えていき、さらにそれぞれのキャラクターごとのバックボーンがどんどん見えてきます。
そのたびに演技に修正をかけ、何回も繰り返します。


最近感じることは、柳沼さんのダメ出しの的確さと、それに対する受講生の反応の速さです。
基本的に週に1回しかないクラスですが、1年間を1人の演出家と創作活動を共にします。それが有効に働いていて、意思の疎通がとてもスムーズに行われるのだと思います。



最後になりましたが、この公演の予約がスタートしています。
現在、いいペースでご予約いただいています。お早目のご予約お待ちしています。

沢大洋

2012年5月18日金曜日

集中の高い練習

7月の公演に向けて、熱のこもった練習が続いています。台本の出来上がっているところまでをしっかり覚えて、何度もシーンを繰り返して練習します。
登場するそれぞれのキャラクターには、人間関係での背景があり、全員が登場する本日練習していたシーンの中でも、そうした微妙な関係や心理が見え隠れします。
演出家からはそうした微妙な関係性や、しぐさ、心理的な動揺や変化など非常に細かな所までのリアリティーが要求されます。台詞は決まっているのだけれどあたかも、そこで本当にこの事件が起こっているかのような迫真さを出さなければならないのです。練習では何度もシーンを繰り返すのですが、集中の度合いや、演出家からの指示などによって、ずいぶん変化していきます。ぐっと引き締まって、目をはなせない回もありました。

幾度も繰り返す中で集中を切らさずに演技するのは、けっこう大変だと思いますが、集中の高い作品は見る者をあきさせない力があります。今日の稽古を見る限りでは、かなり期待できると思います!
頑張って下さい!!

2012年5月14日月曜日

スタッフ陣も着々と。

稽古が進んでいます。
新たにシーンも加わり、よっくりとですが着実に稽古が進んでいます。




さて、この「ハナレズ」というユニット名のクラス。
ラボ生としては8名なのですが、各人がそれぞれスタッフを担当しています。
舞台、照明、音響、衣装、演出補、制作など諸々です。


そのスタッフ陣も稽古と並行して作業を行っていますが、宣伝用のチラシが、もう間もなく完成します。
チラシが届けば、本格的に広報活動が始まり、このお芝居の情報も周知されていくことと思います。ホームページでももちろんプッシュしていきます、お楽しみに!!

沢大洋

2012年5月11日金曜日

左京西部いきいき市民活動センターでの稽古の日々

劇研アクターズラボ+烏丸ストロークロックは、左京区は出町柳駅にほど近い、左京西部いきいき市民活動センターで毎回稽古をします。

今回の芝居、まさにそんな場所でシーンがはじまります。
そのためシーンの絵は見えやすいのですが、その分役者もその場にマッチしていかなければならないため、より繊細な演技が要求されます。そして、その上でキャラクターの雰囲気を提示していかなければなりません。自分ではないキャラクターを、自分に混ぜていくイメージが大事とのことでした。


そして終盤には、登場人物の人間関係についての考察がありました。
誰と誰がつきあっていて、誰と誰は肉体関係があって。。その関係を他に誰が知っていて、誰が知らないか。 かなり複雑な人間関係でした。
これから、どこまで演技が深まっていくのか楽しみです!


写真は、左京西部いきいきセンターの花壇で咲いていた花。

2012年5月9日水曜日

台本にそって進める。

今回のラボは、前回からの台本を受け、ひたすら繰り返し稽古しました。
役名も決まり、自分のセリフも決まり、本番のイメージがわいてきます。




最初の方は、どうしてもシーンが平坦になってしまうのですが、演出や、役ごとの感情の整理が入り、最後の方には段々と輪郭がはっきりしていきました。



その後、スタッフミーティングへ。
テクニカルディレクターの方とも初の打ち合わせをし、メンバーがそれぞれ持っている部署ごとの、明確な指針が見えてきました。

2012年5月5日土曜日

本公演の台本読み合わせ

稽古日 2012.5.2

本公演を7月に控え、いよいよ台本が配られました。

この台本の生まれた背景のお話があり、全員のキャラクターに通じる背景の話、あとは役それぞれに割り当てられた仕事の話。

と同時に、そもそも受講者自身それぞれがどうして演劇の世界に入ってきたのか考えを促す話があったり。


稽古の話からはそれますが、このクラスにはある種の信頼感のようなものがあるなぁと思います。

台本も割ときわどいテーマを扱いそうですし、信頼関係が無ければ破綻してしまい気がします。

柳沼さんが昔何かのインタビューで仰っていましたが、みんながみんなに奉仕しているという関係で作るものがたまらなくエキサイティングだと。

一際、チームプレイが光るハナレズメンバー、台本はこれから徐々に完成させていくようですが、続きが楽しみです。

2012年4月28日土曜日

次のシーンへ進みました。

空間を移動し、新しい場でのシーン作りがスタートしました。
自分としては初めてその場に立ち会う事になったのですが、エチュードを何回も何回もしていて、空間の大きさ、どこに何があって、どんな人と会って。。。

稽古後もメーリングリストで、空間のイメージとなる写真、MAP、台本の構成に深く関わってくる資料などの情報がたくさん回ります。
共有をとにかく徹底的に。
そんなチームですので、去年に引き続き高いクオリティの作品が生まれるのではないかと感じます。


さて今まで台本無しでシーンを作っていたのですが、次回からは台本が登場するそうです。(今まではエチュードから発生したものを共有しながらやっていましたみんなの頭の中にはしっかりとストーリーが入っているんですね。)




2012年4月19日木曜日

シーンが見えてきました

今回のラボは、ベースとなるシーンを何度も反復し、本番の作品に近い形にまで持っていきました。エチュードを繰り返し、煩雑なものをそぎ落とし、そして一本の流れが出来ていきます。
非常に集中力と時間を要する作業です。また基本的にエチュードのため、メンバー同士の支え合いも必要です。
そして最後には、なるほどこんな作品になるのかとイメージもどんどん膨らんでいる様子でした。


まずひとつシーンが出来上がりました。
ということで、自主練がさっそくスタートするようです。
昨年度、ものすごい練習量だったハナレズメンバー。今年も早い段階でクオリティを上げていきます。

2012年4月16日月曜日

カイダンを上る

アクターズラボ+烏丸ストロークロック

今回の稽古。
階段を上るマイムをひたすら繰り返しました。

練習場にある階段を何度も行き来し、感覚を掴もうと悪戦苦闘。
リアリティを追求しても「そう見える」ようにはなりませんし、メンバーでマイムを見せ合いながら良い所、悪い所を盗み合います。
結局「音」が大きなポイントとなりました。目では見えない所の感覚はすごく重要であるようです。


実は、公演まであと3ヶ月。
メンバーの覚悟も段々と高まってきているように見受けられます。

沢大洋

2012年4月9日月曜日

久しぶりの烏丸ストロークロック。

2012.04.07
劇研アクターズラボ+烏丸ストロ-クロック



久しぶりの『ハナレズ』にやってきました。
4月から、沢がクラスの担当となります。よろしくお願いします。


さて、本日のワーク。
アップから、先週の宿題である『調書』をみんなが持ち寄り、見せ合いました。
作品作りがどこまでも丁寧です。




そして本編。
場所を具体的に共有し、どんどん細かいところまで。
そしてその中で即興にて空間を体感し、さらに細かく規定していきます。
即興、場所の共有の繰り返しで、自然な流れを生み出します。




2012年3月20日火曜日

地図のディテールから全体図

遅くなってしまってすみません。3月3日のワークの報告です。

最近のワークは、地図の説明です。各自が選んだ地図のどこか、の説明を行なうものです。全体の話を曖昧にするのではなく、ある一定の箇所のディティールを詰めることで、リアリティを醸し出していく、ということが意図されています。

3月は少しお休みが出てくるので、そのために宿題も出ました。各自が発表した話の交換を行なって、場所の説明を、自分の彼女や彼氏に話すように、つまりカップルのていで話す、という宿題です。地図、そしてカップル。この二つから、本公演がどういったものになっていくのか、是非想像して欲しいと思います。

この日のワークでの話ではないですが、柳沼さんのお話の中で、震災以後にお芝居のリアリティをどう担保できるのか、といった問題提起がありました。そのように感じた芸術家は、3.11以後多くいたと思いますし、その解決策としてどういった表現を選ぶのかは、それぞれの判断にゆだねられています。2年目を迎える柳沼ラボですが、どのような現実味を芝居を通じて魅せてくれるのでしょうか。次週は、3月24日。2週間空いてのワークとなります。参加者の能動的参与が、ワークの質を高めています。

2012年2月26日日曜日

サスペンス風なのか?

2月25日に行なったワークの報告です。

さて、タイトルの通り、本公演の作品はもしかしたらサスペンス風かもしれません。という文章がいきなり来ても、何の事だか分からないでしょうが、今柳沼クラスではそういったワークを行なっています。どこまでネタばれしてよいのか、分からないので、慎重に書いていきますが、柳沼クラスの特徴として、個々人がそれぞれアイデアを持ち寄るというのがあります。個々人が調べて来た事を発表して、そこから柳沼さんがアイデアの源泉を見いだしたり、それぞれの意識共有をはかったり。

作品をどういったものにしていくのか。その話し合いの中で印象的だった事を2、3書いてみます。まず、背景を明確にしすぎない事。ディテールからリアリティを生む事。記憶のこと。

今柳沼クラスは、地図を作製しています。比喩でも何でもなくて、本当に地図です。
地図作製から始める創作物がどういったモノになるのか、是非想像してみて下さい。
サスペンス風なのか?

2012年2月11日土曜日

本公演に向けて秘密裏な作業が増えてきました。

2月11日のワークの内容をお伝えします。

といっても、タイトルに掲げたように、本公演に向けた創作が本格化しており、ネタバレになってしまう事が多く、なかなか報告し辛い感じになっています。何とか言える範囲で報告を試みます。

まず一つ言える事は、2012年度の柳沼クラスの公演は、2011年度に行なった作品とは、全く違う方向性を持った作品になるであろうという事です。2011年度の作品は、過去の物語でした。しかし、おそらく今の段階では、2012年度の作品は現代を直裁的に扱うと思います。現代を扱っていくために、ここ最近のワークは、必然的に個々人の作品発表、といったおもむきが強いです。つまり簡単に言ってしまえば、柳沼さんから与えられる宿題を、個々に、もしくはペアーやグループで処理して、稽古当日に発表してもらう流れですね。これを実施する事で、参加者の緊張感は次第に高まり、自分を見つめる眼差しが、かなり強固なものになっていきます。作品発表といった形で、自己を他者の前で曝す参加者の皆さんは、かなり肝っ玉が強くなっていっているのではないでしょうか。

2012年の現代日本社会において、どういった表現が表現足りえるのか。
今の柳沼ラボの課題は、おそらくこの一言に尽きます。

2012年1月28日土曜日

恋愛のシミュレーションの効果

1月28日に行なった柳沼ラボの様子を報告します。

只今、本公演に向けて徐々に本格的に試行錯誤が始まっています。今年のテーマは、恋愛論らしいのですが、その実験がとてもとても面白いのです。
詳細は、 ハナレズ2ndのブログを参照下さい。 http://hanares.blog.fc2.com/blog-entry-74.html

ハナレズの皆さんは、非常に仲間意識が高く、公演クラスとしてチームメイトを作り上げていく過程が非常に面白いのです。年齢が近いせいもあるかもしれませんが、制作過程をドキュメントすると、とても興味深いものになる予感がします。

それはさておき、恋愛のシミュレーションです。今回のエチュードでのテーマは、「女性がどうしてもHがしたいのだが、男性はそれを拒む」というものでした。赤裸々に書いてしまいましたが、本当にこういったテーマをひとまずエチュード(即興)しているのです。

思うに、日常生活において、恋愛程劇的な事は無いかもしれません。と思う程、演技の表情が豊かになる参加者の皆さん。非日常的な演技をするにあたって、当初は恥ずかしさももちろんあるにはあるのですが、恋愛が土台になったとたん、男性も女性も、どこか雰囲気が豹変して(変な意味じゃないです)、非日常の世界へ足を踏み入れていきます。その過程の面白い事。恋心といったものが、如何に豊かなものであるかを、改めて思い知った限りです。そして、この恋愛をテーマに演技をさせるという行為は、密かに、いやかなりの割合で、現代人の心性をぐいぐい引っ張る力を持っているんじゃないか。とも思いました。私たちは「愛しています!」と相手に、日常的に伝える事はしません。でも、演劇が行なう事は、そういったレベルの話であったりもします。物語る事とはつまり、わざわざ物語っている事なのです。物語る必要がそんなに無いかもしれないけれど、実は物語るととても人間として成長しているような気持ちになる事。恋愛を物語る、恋愛を演じるとは、私たちのベールに隠れた人間性を、如実に表すことに、近い行為に思えました。

しがみつく、服を脱ぐ、服を脱がせない、密かに拒否る。

上記のような事を、私たちも、誰も見ていない所で、きっとやっているに違いない。もし今現在、上記のような、他者との関係性を構築するにあたってのダイレクトな行為を、たとえ今やっていないとしても、いつかはやるかもしれないし、どこかでやりたいと思っているかもしれない。という事を改めて考えながら、それが表現として、どういったレベルにあるのかを考える。柳沼ラボが実験している事の先に、どんな表現が立ち上がるのか。とても楽しみです。