2012年6月28日木曜日

良質な作品が生まれる現場。

初めてハナレズの稽古を見ました。
まずは柳沼さんから衣装についての伝達。キャラクターの役割のことを交えながら衣装のイメージが伝えられていきます。
その後、劇研で公演されたディディエ ガラスさんの作品を柳沼さんが見られていて、そのことから柳沼さんが考える役者論について語られました。こんな話を通して集団の中での目指すものが共有されていくのでしょう。


そしていつものお手玉まわし。名前を呼んで相手がはいと返事があってお手玉を投げる。お手玉の受け渡しよりも名前の応答がどんどん先へ進んでいきます。場の集中度が高まったところで名前を呼ぶのをなしにしてアイコンタクトで応答していく。静かな緊張感。お手玉を落としたら終了。終わった後にお手玉を落とさずまわすポイントが語られます。全体で作っているリズムに自分も参加しキープしていくこと。イレギュラーが起こっても慌てて余計な動きを入れずシンプルに動くことに注意する。舞台上でも同じことでイレギュラーやハプニングはライブなので起こりえます。そんな時にいかに慌てずシンプルに動くか。慌てないでいると言葉で言えば簡単ですが慌てないためにどうするのか。頭や言葉でなく体で掴むしか無いことなのでしょう。


シーンの抜き稽古。シーンが展開していくことを分かりやすくするためにシーンとシーンのつなぎの部分をどうするのか。どう間をとるのか、セリフを言うスピードをどうするか、動きと声をどう扱うのか。柳沼さんからシーンで見せたいこと、演出意図を交えながら繊細に明確に指示が出ます。稽古を見ていて稽古場の雰囲気に驚かされました。それはピンと張った細い糸のような緊張感と高い集中力。演出の指示を聞くときの真摯な眼差し。たとえその指示が他の人へのものでもみんながそれを聞いて全体で受け止めています。そして受けた指示をどう扱い演技に結びつけるか自分と向き合いながら内省しているストイックな姿。創作過程なので確かに目指すところに及んでいないことはあります。しかしこの稽古場には目指す作品の姿を実現させるエネルギーで満ちているように感じました。本番でどんな作品が立ち上がってくるのか。本当に楽しみです。





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