2012年6月13日水曜日

何度も練習

台本ができあがってきたシーンから、どんどん稽古して仕上げてゆきます。
 今日の課題はバスの車内シーン。もちろん映画ではないので本物のバスは存在しません。ましてや、バスの車内セットなどあるはずもありません。前のシーンからわずかな道具の移動と、役者の演技でバスの社内を舞台上に出現させるのです。もちろん会話はかわされ、ストーリーは流れてゆきますが、同時に、そこにいる全員がバスに乗っているとき自然におこる揺れなどを再現しつつ、あるものは歌い、あるものは景色を見、あるものは寝るといった、さまざまな乗客を演じ、なおかつ打ち解けて和んだ車内状況を作りだすことが要求されます。台詞を台本どおりに言うだけではもちろん足りません。息のあった動きで、時々停車したり揺れるといった、車が走っている雰囲気を創りだしながら、あるものは盛り上がり、あるものは寝る演技を不自然さなく行なうのです。
役者さんにとっては、いくつもの段取りを同時に進行しなければならず、かつ集中力も要求されます。今の段階では、きっとダメだしされるたびに脳みそがパンクしそうな感じになっていることでしょう。
結局は何度も練習して、共演者達の呼吸を読み、段取りを身体に落とす(注:身体が勝手に動いて自然に段取りできる状態にすること)しかないのですが、逆に言えばこうしたシーンの完成度が高いと、観客は「おーっ」となるはずです。
もしこのシーンが映画だとしたら、移動中のバス内を説明する単純なシーンになると思いますが。演劇ではストーリー説明だけにとどまらない、パフォーマンスとしても面白い、厚みのある「場面」が生まれるのです。
観客の「おーっ」を目指して頑張って下さい!!

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